GUIアプリケーションを作るためのライブラリ
PySide6は、Pyhtonでデスクトップ用のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)アプリケーションを作るためのライブラリです。
PySide6を使うことで、Pythonでウィンドウやボタンなどを持つアプリケーションを簡単に作ることができます。
本記事では、PySide6の特徴やできること、どんな時に使うのかなど詳しく解説してきます。
PySide6の概要
PySide6の基本
PySide6は、C++で作られた強力なGUIライブラリ「Qt」をPythonで使えるようにしたものです。Pythonでもボタンやウィンドウを簡単に作成でき、デスクトップアプリを開発できます。
・Qtとは?
QtはC++で書かれたクロスプラットフォームのGUIツールキットで、Windows、macOS、Linuxなど様々な環境で動作するアプリケーションを作成するために広く利用されています。
PySide6で出来ること
PySide6を使うと、次のようなことが可能になります。
- ウィンドウ作成
シンプルなウィンドウや複雑なレイアウトのウィンドウを作成できます。 - ウィジェット(部品)の配置
ボタン、テキスト入力欄、ラベル、チェックボックスなど、ユーザーとやり取りするための部品(ウィジェット)を自由に配置できます。 - イベント処理
ボタンをクリックしたとき、テキストが入力されたときなど、ユーザーの操作に応じた処理(イベントハンドリング)を行えます。 - レイアウト管理
ウィジェットを自動的に整列させるレイアウトマネージャーがあり、ウィンドウサイズが変わってもきれいに配置できます。 - スタイリング
CSSに似た方法で、ウィジェットの見た目(色、フォント、境界線など)をカスタマイズできます。
具体的には、以下のようなデスクトップアプリが作れます。
- TODOリストアプリ:タスクを追加・削除できるアプリ
- 画像ビューア:画像を開いて表示するシンプルなツール
- 簡単な電卓:数字を入力して計算結果を表示するアプリ
PySide6はどんな時に使う?
1.デスクトップアプリ開発
直感的な操作が可能な使いやすいアプリケーションを作成する際に使用します。
また、アイデアはあるけど、まずは見た目や動きを確認したいときは、PySide6を使うことですぐに試作できます。
2.学習や実験のためのツール
実際に手を動かしてGUIアプリケーションを作ることで、イベント処理やオブジェクト指向プログラミングの概念を学べます。
また、自分用のツール(例:タスク管理アプリやデータ表示ツールなど)を作成することで、日常の作業効率を上げることも可能です。
PySide6を使ってGUIアプリケーション作成
ここでは、PySide6を使ってシンプルなウィンドウを表示する基本的なコード例を紹介します。
ステップ1:環境の準備
まず、PySideをインストールします。以下のコマンドをターミナル(またはコマンドプロンプト)で実行します。
pip install PySide6
ステップ2:サンプルコードを入力
ファイルを作成し、コードを入力します。
以下は、シンプルなウィンドウを表示するプログラムです。
import sys
from PySide6.QtWidgets import QApplication, QWidget, QLabel, QVBoxLayout
# アプリケーションを始めるための準備
app = QApplication(sys.argv)
# ウィンドウ(画面)作成
window = QWidget() # 空のウィンドウを作成
window.setWindowTitle("PySide6で作ったウィンドウ") # ウィンドウのタイトルを設定
window.resize(400, 200) # ウィンドウのサイズを設定
# 画面に表示する文字を作る
label = QLabel("こんにちは!これはPySide6で作ったウィンドウです。")
# 文字をウィンドウ内に配置するための仕組み(縦に並べる)
layout = QVBoxLayout()
layout.addWidget(label)
window.setLayout(layout)
# ウィンドウを表示する
window.show()
# アプリケーションが終了するまで待つ
sys.exit(app.exec())
ステップ3:コードを実行
コードを実行すると、以下のようなシンプルなウィンドウが表示されます。

PySide6を使ってみよう!
今回は、PySide6というライブラリについての基本や使い方など解説しました。
PySide6とは?
Pythonでウィンドウのあるアプリを簡単に作るためのライブラリ
何ができるか?
ウィンドウの作成、ボタンや文字入力の追加、ユーザーの操作に合わせた動きの作成が可能。
使う場面は?
パソコンで動く自分用のツールや、プログラムの動きを体験しながら学ぶための練習用に使えます。