VSCodeとは?無料の人気コードエディター
VSCode(Visual Studio Code)は、高いカスタマイズ性と豊富な機能で、世界中の開発者に選ばれている無料の人気コードエディターです。
直感的な操作性、軽快な動作、そしてプログラミング言語やフレームワークに対する広範なサポートを理由に幅広いユーザーに愛用されています。
本記事では、これからプログラミングを始める人向けに、VSCodeのインストール方法や基本的な設定、プロジェクトの作成や管理について解説します。
VSCodeのインストール方法
公式サイトからのダウンロードリンクと、サポートされているオペレーティングシステムをリストアップします。
Windowsでインストール
WindowsでVSCodeをインストールする手順は次のとおりです。
STEP1:VSCode公式サイトにアクセス
Visual Studio Code の公式サイトにアクセスします。
STEP2:ダウンロード
ページ上部にある「Download」ボタンをクリックします。
表示されたページから「Windows10・11」をクリックするとインストーラーがダウンロードされます。
STEP3:インストーラーの実行
ダウンロードしたインストーラー(例: VSCodeUserSetup-{version}.exe
)を実行します。
STEP4:インストールオプションの選択
インストール中に表示されるオプションで、好みに応じて設定を選択します。特に「PATHへの追加」のオプションを選択すると、コマンドラインからVSCodeを起動できるようになり便利です。
STEP5:インストールの完了
「Install」ボタンをクリックしてインストールを完了します。インストールが完了すると、VSCodeを起動することができます。
macOSでインストール
macOSでVSCodeをインストールする手順は次のとおりです。
STEP1:VSCode公式サイトへアクセス
ブラウザでVisual Studio Codeの公式サイトにアクセスします。
STEP2:ダウンロード
ページ上部にある「Download」ボタンをクリックします。
表示されたページから「Mac」をクリックするとインストーラーがダウンロードされます。
STEP3:インストーラーを開く
ダウンロードした .zip
ファイルをクリックし、「Visual Studio Code.app」 表示させます。
STEP4:アプリケーションフォルダに追加
ドラッグ&ドロップで 「Visual Studio Code.app」 をアプリケーションフォルダに移動します。
STEP5:VSCodeを開く
アプリケーションフォルダからVSCodeを開きます。
Linuxでインストール
Linux上でVisual Studio Code(VS Code)をインストールする方法は、使用しているLinuxディストリビューションによって異なります。
ここでは、主にDebian/Ubuntuベースのディストリビューション、RHEL/Fedora/CentOSベースのディストリビューション、そしてSnapを使用した方法について説明します。
DebianおよびUbuntuベースのディストリビューション
STEP1:.debパッケージのダウンロードとインストール
Visual Studio Codeの公式ダウンロードページから、対応する.debパッケージ(64ビット推奨)をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルがあるディレクトリでターミナルを開き、以下のコマンドを実行してインストールします。
sudo apt install ./<ダウンロードしたファイル名>.deb
古いディストリビューションを使用している場合、代わりに以下のコマンドを実行する必要があります。
sudo dpkg -i <ダウンロードしたファイル名>.deb
sudo apt-get install -f
STEP2:aptリポジトリと署名キーの手動での追加(オプション)
以下のコマンドを実行し、Microsoftの署名キーを追加し、VS Codeのリポジトリをシステムに追加します。
sudo apt-get install wget gpg
wget -qO- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > packages.microsoft.gpg
sudo install -D -o root -g root -m 644 packages.microsoft.gpg /etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg
sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64,arm64,armhf signed-by=/etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main" > /etc/apt/sources.list.d/vscode.list'
rm -f packages.microsoft.gpg
次に、システムのパッケージリストを更新し、VS Codeをインストールします。
sudo apt install apt-transport-https
sudo apt update
sudo apt install code # code-insidersで開発版をインストールすることも可能
RHEL、Fedora、CentOSベースのディストリビューション
yumリポジトリの追加とインストール
以下のコマンドを実行して、Microsoftの署名キーを追加し、VS Codeのリポジトリを設定します。
sudo rpm --import https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
sudo sh -c 'echo -e "[code]\nname=Visual Studio Code\nbaseurl=https://packages.microsoft.com/yumrepos/vscode\nenabled=1\ngpgcheck=1\ngpgkey=https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc" > /etc/yum.repos.d/vscode.repo'
Fedora 22以降では、dnfを使用してVS Codeをインストールします。
dnf check-update
sudo dnf install code # またはcode-insiders
Snapを使用したインストール
STEP1:Snapパッケージのインストール
SnapをサポートするLinuxディストリビューションでは、以下のコマンドで簡単にVS Codeをインストールできます。
sudo snap install --classic code # またはcode-insiders
Snapを使用すると、VS Codeに新しいバージョンがリリースされた際に、SnapデーモンがVS Codeを自動的に更新し、アップデートが利用可能になると通知が表示されます。
LinuxにVS Codeをインストールする方法まとめ
- Debian/Ubuntuベースのディストリビューションでは、.debパッケージをダウンロードしてインストールする方法があります。この方法は直感的で、GUIを介してもターミナルを介しても行えます。
- RHEL/Fedora/CentOSベースのディストリビューションでは、yumリポジトリを追加してからインストールする方法があります。このプロセスは、コマンドラインを通じて行われ、システムのパッケージ管理に統合されます。
- Snapを使用する方法は、サポートされているすべてのLinuxディストリビューションで利用可能です。Snapパッケージは自己完結型で、依存関係を含んでいるため、インストールが簡単で、自動的に更新されます。
使用しているLinuxディストリビューション、好みのインストール方法(GUI対コマンドライン)、およびアップデート管理の好み(自動更新か手動更新か)でインストール方法を選びましょう。
VSCodeの基本設定
VSCodeは初期状態でも非常に強力なコードエディタですが、基本的な設定を行うことで、さらに使いやすくカスタマイズすることができます。
インターフェイスの概要
VSCodeのインターフェイスはシンプルで使いやすくなっています。
左側にはアクティビティバーがあり、ファイルのエクスプローラー、検索機能、ソースコントロール、デバッグ、拡張機能などへのアクセスできます。
画面の中央にはエディターウィンドウがあり、コードの編集を行います。下部にはターミナルやデバッグ情報などを表示するパネルがあります。
- アクティビティバー
- エディターウィンドウ
- ターミナルやデバッグ情報などを表示するパネル
インストール後のカスタマイズ
拡張機能の追加
VSCodeの機能は、拡張機能をインストールすることで大きく拡張できます。
拡張機能は左側のアクティビティバーからアクセスし、「拡張機能」ビューで検索してインストールします。
以下の記事では、VSCodeの日本語化について詳しく解説しています。VSCodeを日本語で使いたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
テーマの変更
VSCodeでは、様々なカラーテーマを選択して、エディターの外観をカスタマイズできます。テーマは「ファイル」>「環境設定」>「カラーテーマ」から変更可能です。
テーマの変更手順
STEP1:コマンドパレットを開く
Ctrl+Shift+P (Windows/Linux) または Cmd+Shift+P (Mac) を押して、コマンドパレットを開きます。
STEP2: テーマ設定を検索
コマンドパレットに「Color Theme」と入力し、表示された「Preferences: Color Theme」を選択します。
STEP3: テーマの選択
矢印キーを使って、使用したいテーマを選択します。VSCodeには標準で多数のテーマが用意されており、ダークテーマやライトテーマなど、好みに合わせて選ぶことができます。
フォントとサイズの調整
エディタのフォントやフォントサイズ、行間も自由に設定できます。
STEP1:設定を開く
画面左下の歯車アイコンをクリックし、「設定」を選択します。
ショートカットキー: Ctrl + , (Windows/Linux) または Cmd + , (Mac)
STEP2:ユーザー設定にアクセス
画面の上部にある検索バーに「フォント」と入力します。関連する設定がフィルタリングされ、簡単にアクセスできるようになります。
ショートカットキーのカスタマイズ
ショートカットキーのカスタマイズにより、よく使用する機能へのアクセスが迅速になり、コーディングの効率が上がります。以下の手順で設定の変更が可能です。
STEP1: コマンドパレットを開く
VSCodeで Ctrl+Shift+P (Windows/Linux) または Cmd+Shift+P (Mac) を押し、コマンドパレットを開きます。
STEP2:ショートカットキー設定を開く
コマンドパレットに「キーボード ショートカット」と入力し、「キーボード ショートカットを開く」を選択します。
STEP3:ショートカットキーを検索する
ショートカットキー設定タブが開きます。ここで、変更したいショートカットの機能名を検索バーに入力して見つけます。
STEP4:ショートカットキーを編集する
変更したいショートカットキーの行をクリックし、「キーバインドの変更」を選択します。新しいキーバインド(ショートカットキーの組み合わせ)を入力し、Enter を押して確定します。
STEP5:変更を保存する
自動的に変更が保存されます。設定ウィンドウを閉じて完了です。
便利なショートカットキー(デフォルト設定)
開発効率を上げるために役立つ便利なショートカットキーです。
コマンド | Windows | Mac |
---|---|---|
ファイル間の移動 | Ctrl+Tab | Cmd+Tab |
コマンドパレットの表示 | Ctrl+Shift+P | Cmd+Shift+P |
ファイルの保存 | Ctrl+S | Cmd+S |
ファイルの新規作成 | Ctrl+N | Cmd+N |
サイドバーの表示/非表示 | Ctrl+B | Cmd+B |
ファイル検索 | Ctrl+P | Cmd+P |
現在のファイル内での検索 | Ctrl+F | Cmd+F |
現在のファイル内での置換 | Ctrl+H | Cmd+H |
最初のプロジェクトの開始
VSCodeをインストールしたら、実際にプロジェクトを開始してみましょう。
簡単なプロジェクトの作成と、ファイルやフォルダーの管理方法、そして基本的なファイルの編集と保存のプロセスについて解説します。
プロジェクトの作成と管理
プロジェクトフォルダの作成
プロジェクト用の新しいフォルダを作成します。これは、ファイルシステム上で直接行うか、VSCodeのターミナルを使用して行います。
ファイルシステム上でフォルダを作成する方法
デスクトップ上かドキュメントフォルダ内で、右クリックし「新規フォルダー」を選択します。
フォルダには、プロジェクトに関連する名前を付けます。例えば「MyFirstProject」といった名前です。
VSCodeでフォルダを作成する方法
VSCodeを開き、「Ctrl+`」 (バッククォート)を押してターミナルを開きます。
「mkdir MyFirstProject」と入力して、新しいプロジェクトフォルダを作成します。
VSCodeでプロジェクトを開く
VSCodeを開き、「ファイル」メニューをクリックし、「フォルダーを開く」を選択します。
ファイルダイアログから、先ほど作成した「MyFirstProject」フォルダを見つけて選択し、「フォルダーの選択」をクリックします。
VSCode上で選択したフォルダが開きます。
新しいファイルの作成
VSCodeのエクスプローラビューで、開いた「MyFirstProject」フォルダの右側にあるメニューから「新しいファイル」を選択します。
ファイル名を入力して、例えば「index.html」とします。Enterキーを押してファイルを作成します。同様にして、「app.js」などの他のファイルも作成できます。
基本的なファイルの編集と保存
VSCode)では、直感的なインターフェースを通じてファイルの編集と保存が簡単に行えます。また、プロジェクト内の複数ファイルを効率的に管理するための機能も豊富に備わっています。
ファイルの編集
「プロジェクトの作成と管理」で解説した手順に従って、プロジェクトフォルダ内のファイルをダブルクリックするか、または「ファイル」メニューから開きます。
テキストの入力
テキストエディター部分に直接コードやテキストを入力します。自動補完機能がサポートされている言語では、入力中に候補が表示されることがあります。
シンタックスハイライト
VSCodeは多くのプログラミング言語に対応しており、シンタックスハイライト機能によってコードが色分けされて表示されます。
コードの整形
「Shift + Alt + F」を押すことで、VSCodeは現在のファイルのコードを自動整形します(対応言語の場合)。
「Shift + Alt + F」でコードを自動整形
ファイルの保存
ファイルの編集が完了したら、変更内容を保存しましょう。
手動で保存
「Ctrl + S」(Windows/Linux) または 「Cmd + S」(macOS) を押すことで、現在開いているファイルを保存できます。
自動保存の設定
VSCodeでは、ファイルを自動的に保存する設定も可能です。「ファイル」メニューから「自動保存」を選択するか、設定から自動保存のオプションをカスタマイズできます。
複数ファイルの管理
プロジェクトでは、複数のファイルを同時に扱うことがよくあります。VSCodeはこれを効率的に管理するための機能があります。
タブを使ったファイルの切り替え
開いているファイルはタブとしてエディターの上部に表示されます。これをクリックすることで簡単に切り替えることができます。
サイドバーのエクスプローラ
サイドバーのエクスプローラビューを使用すると、プロジェクト内のファイルやフォルダを一覧でき、新しいファイルやフォルダの追加もここから行えます。
複数のエディター画面
「表示」メニューから「エディターをレイアウト」を選択することで、画面を分割して複数のファイルを同時に表示できます。
ファイルの検索と置換
「Ctrl + F」(Windows/Linux) または「Cmd + F」(macOS)を使用して、開いているファイル内でテキストの検索を行えます。
「Ctrl + H」(Windows/Linux) または「Cmd + Alt + F」(macOS)で置換機能を使うことができます。特定のコードの断片や変数名を一括で変更したい場合に非常に便利です。
全ファイルを対象とした検索
「Ctrl + Shift + F」(Windows/Linux) または「Cmd + Shift + F」(macOS)を押すことで、プロジェクト内の全ファイルを対象とした検索が可能です。
プロジェクト全体で特定のテキストやコードが使用されている箇所を素早く見つけることができます。
VSCodeをインストールして効率的に学習しよう
今回はVSCodeのインストール方法や基本的な設定、プロジェクトの作成や管理について解説しました。インストールや設定方法などは初めは難しく感じてしまいますが、意外と簡単にできます。VSCodeを活用して快適にプログラミングを学習していきましょう。